次回の展覧会

古川美術館 特別展Collector’s exhibition3  「究極と至高 名画で綴る日本の100年」

この度、古川美術館ではアートコレクターが収集した秘蔵の一級品を紹介するCollector’s exhibition第三弾を開催します。今回のテーマは「近代&現代」。世界ではピカソやマティスなどの20世紀美術が花開く中、日本はようやく海外からの芸術理念や油画などの技法が伝わり、西洋に遅れること100年、美術の近代化が始まります。西洋文化の移植は日本が近代的な文明国であることを示すために必要不可欠な課題で、それまで1000年にわたって中国美術をもとに形成されてきた日本の美術を一新させました。西洋の遠近法の実践や洋画の誕生、日本画の設立と表現の多様化、画家たちは感性と技術を追求し、それは日本独自の美術形体を作り上げた現代へ発展します。近代から現代、まさに画家が究極を目指し、至高の美を獲得し、大きく日本の美術が飛躍した時代、それが本展のテーマです。日本画に西洋技術を取り入れた横山大観、伝統的技術を現代風にアレンジした前田青邨、日本の華美な装飾性を現代風によみがえらせた加山又造や、洋画に日本画の要素を取り入れた梅原龍三郎、メリハリのある色彩で独自の画境を構築した安井曽太郎、作家の画業の中でも最も重要な時期に描かれた作品を一堂に集結させました。特に東山魁夷の夕日を背にした馬シリーズの唯一無二の作品、唐招提寺の襖絵の習作は必見です。究極と至高の近現代絵画コレクション、ぜひこの機会にお楽しみください。

横山大観「日本正気」1941年 個人蔵

加山又造「猫」個人蔵

 

東山魁夷「青山白雲」個人蔵

安井曾太郎「静物」1942-43年個人蔵

梅原龍三郎「浅間山」1951年個人蔵

三岸節子「秋のおとずれ」1966年個人蔵

 
 会 期  2023年4月8日(土)~6月18日(日)※月曜日休館
 会 場  古川美術館
 主 催  公益財団法人 古川知足会
 後 援  愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会、中日新聞社、 CBCテレビ
    スターキャット・ケーブルネットワーク株式会社
 チケット販売
 チケットぴあ Pコード:686-385 
 セブンイレブンコード: ***-*** 
 ファミリーマートコード:cn-36155      
  販売期間:3/25~5/21

 

爲三郎記念館特別企画 亀井勝卒寿展「原点回帰~藤井達吉との出会い」

亀井勝は愛知県立瀬戸窯業高等学校を卒業後、父清市氏のもとで作陶活動に入りました。昭和28年、20歳の時に日展で最年少者として入選しますが、その後数年間は公募展には出品せず、持ち前の探究心と向上心で新しい作風を取り入れた創造美を追求していきます。昭和37年に再び公募展に出品をするようになり、現在は日展を中心に活躍しています。日展特選、日本現代工芸美術展内閣総理大臣賞、中日国際陶芸展中日大賞など数々の賞を受賞、まさに東海地区を代表する作家である亀井勝は自然を題材とし、やきものが有する独特の質感や表情などを駆使して、独創性あふれる作品を発表しています。中でも東アフリカやチュニジアで出会った壁をテーマにした「風シリーズ」は亀井の代名詞となり、多くの人々を魅了しています。こうした亀井の芸術観の根底には、父清市と工芸家・藤井達吉から受け継がれた芸術工芸思想があります。昭和初期に瀬戸を訪れ、若い作家たちに多大な影響を与えた藤井達吉(1881-1964)は「工芸は総合芸術である」との考えを提唱しました。
瀬戸の作家たちは、藤井との交流の中で、芸術・工芸思想に触れ、創作の源泉であるスケッチの重要性を認識し、それぞれの制作に取り組みました。その藤井達吉の晩年を献身的に支え、時には芸術論を共有してきたのが亀井勝の父・清市です。亀井はこうした二人の交流を自らの目で、そして肌で体験してきました。本展では亀井勝が藤井達吉から受け継いだ芸術思想を紹介します。亀井勝の作品と共に亀井家に残る藤井達吉の直筆文などを紹介し、藤井に感銘を受け培われた亀井勝の創造性を深堀します。卒寿を迎えた亀井勝の円熟した境地をご堪能ください。

亀井勝「彼方へ89‐2」1989年

亀井清市作 藤井達吉絵 大皿

 会期  2023年4月8日(土)~5月21日(日)※月曜日休館
 休館日  毎週月曜日
 会場  公益財団法人古川知足会 爲三郎記念館(旧古川爲三郎邸)
 主催  公益財団法人古川知足会
 協力
 碧南市藤井達吉現代美術館
 後援
 愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会、中日新聞社、CBCテレビ、東海テレビ
 スターキャット・ケーブルネットワーク株式会社
 開館時間  午前10時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
 チケット販売