次回の展覧会

古川美術館・分館爲三郎記念館同時開催「特別展「長谷川喜久 日本画展 色 ― 彩」」

日本画家・長谷川喜久は、日展を主な活動の場とし、また名古屋芸術大学で教鞭を執り、後進を指導する教授でもあります。
長谷川は1964年に岐阜県に生まれます。その後、金沢美術工芸大学・同大学院と進み、大学院修了後、すぐに日本画家 岩澤重夫に師事します。そこで研鑽を積み、20代から30代にかけての作品は自己の内面を追求し、社会への不安や葛藤を投影した人物画や、徹底した写生を基礎とした風景や花鳥画でメキメキと頭角を現します。数多くの賞を受賞していく中、1999年 第31回日展で特選を受賞(2001年にも同受賞)します。その後も個展や様々な展覧会で、精力的に作品発表を続けています。
長谷川は明治以降に“日本画”という言葉が生まれる以前からの日本の絵画の流れを意識しつつ、 “日本画”というジャンルの中での自身の立ち位置を模索・挑戦し続ける画家です。彼が生み出す作品は、現代の日本人である自分が生み出すべき絵画表現の追求者の軌跡ともいえます。

今回の個展はホワイトキューブの美術館と、昭和初期創建の数寄屋造りの爲三郎記念館という、趣の全く異なる展示空間での展示となります。異なる空間だからこそ、日本画家・長谷川喜久のこれまでの軌跡、挑戦、これらをご覧いただけることと思います。
長谷川というと、2022年第9回新日展の文部科学大臣賞受賞作品のような風景画のイメージがありますが、画業初期には人物画を描いています。美術館ではこれまで再発表されなかった最初期の人物画作品を含む人物画をはじめ、風景画を展示します。特に風景画において示してきた画業の変遷であるForms(フォームズ)、最近取り組んでいるColors(カラー)のシリーズまでを展覧し、常に新しい表現を求める続ける長谷川をご覧いただきます。
分館 爲三郎記念館では、純日本家屋である数寄屋造において、日本の歴史的芸術形態である軸装・屏風に花鳥、龍図を描き、また伝統的日本画に使われる岩絵の具などの画材にとらわれない空間演出(インスタレーション)なども交え、“現在の日本画”の姿を展開させます。
美術館・記念館の両館を通じて、日本画家・長谷川喜久の世界をお楽しみください。

長谷川喜久「colors-yhy」

長谷川喜久「犬圏」2006年

長谷川喜久「白秋」2020年 改組 新 第7回日展出品作品

長谷川喜久「snow white」

長谷川喜久「富嶽図」

長谷川喜久「紅白牡丹図屏風」

 

 会期  2025年6月14日(土)~7月21日(月・祝)
 休館日  月曜日(但し最終日7/21(月・祝)は開館)
 会場  古川美術館・分館爲三郎記念館(両館同時開催)
 主催  公益社団法人古川知足会
 後援   愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会、岐阜県教育委員会、名古屋芸術大学、      
 中日新聞社、CBCテレビ、東海テレビ、スターキャット株式会社
 チケット委託  ぴあ:687-231
 セブンコード:110-546
 ファミマ:CN-37621
 アートスティッカー:
 開館時間  午前10時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)