古川美術館 特別展「女性画家~日本画にみる美の開花」

※こちらの展覧会は終了いたしました。

本展では、上村松園から始まる女性画家の系譜を紹介するとともに、幅広い題材と表現を確立した現代の女性画家の作品を一堂に展示いたします。

近代の女性画家の筆頭に挙げられる上村松園(京都)、松園と並び三都三園と称された美人画の名手、池田蕉園(東京)、島成園(大阪)。 庶民風俗を描いた伊藤小坡。独自の女性像を描いた梶原緋佐子、広田多津。彼女たちが題材として最も多く描いた「女性像」に焦点を当て、各画家の表現方法や主題の違いを紹介します。
また、確固たる個性を確立した代表的な女性画家として、身近な人物や花を描き続けた小倉遊亀、上方や歴史上の女性を清楚に描きあげた北沢映月、インドを題材とした秋野不矩、独自の花鳥画の世界を追求する郷倉和子、日本画の枠を超えたエネルギッシュな作風の片岡球子らの作品を紹介します。
それぞれの画家が開花させた表現の競演をお楽しみください。

※本展は、爲三郎記念館 秋季公開「からくり人形 八代目玉屋庄兵衛(初代萬屋仁兵衛) の世界」 (同時開催) と共通券になります。

※前後期で一部作品の展示替を行います。
(前期: 10月21日~11月19日、後期: 11月21日~12月17日)

期間 2006年10月21日(土曜日)~12月17日(日曜日)
※前後期で一部作品の展示替を行います。
(前期: 10月21日~11月19日、後期: 11月21日~12月17日)
展示数 34点
前期のみ出品数: 6点 / 後期のみ出品数: 7点 / 全会期出品数: 21点
主催 財団法人古川会 / 古川美術館 / 爲三郎記念館 / 中日新聞社
後援 愛知県教育委員会 / 名古屋市教育委員会 / スターキャット・ケーブルネットワーク株式会社
協賛 NAGOYAまちじゅうGA芸術祭
展示内容

テーマ: 美の開花~個性の確立

【展示作家】
*小倉遊亀・*秋野不矩・片岡球子・北沢映月・郷倉和子

* 前期、後期、作品展示替えのある作家

ここでは、戦前から活動をはじめ、特に戦後から現代にかけて幅広い題材と確固たる表現を確立した女性画家の作品をご紹介します。

戦後すぐに裸婦や自画像、家族など当時では稀な題材に取り組んだ小倉遊亀。インドを題材として女性画家では少ない風景画に新境地を見出した秋野不矩。面構・富士・裸婦のいずれの作品でも日本画の枠を超えたエネルギッシュな作風をみせる片岡球子。そして、上方や歴史上の女性を清楚に描き上げた北沢映月、独自の花鳥画の世界を追求する郷倉和子。
個性を開花させたその作品からは、その人となりまでも伝わってきます。それぞれの画家の築きあげた美の競演をお楽しみください。

テーマ: 花に寄せて

【展示作家】
郷倉和子・堀 文子・森田りえ子

女性は長期のスケッチ旅行などが必要な風景画よりも、身近な花や人物を題材とすることが多かったと言われています。花や人物の美しい曲線は、男女を問わずその形の美しさに感動を覚えますが、女性だからこそ見えてくる視点、感じる美というのがあるのではないでしょうか。特に花の可憐でかつ強く咲く姿には、画家自らの姿をそこに重ねていたのかもしれません。

ここでご紹介する三人の女性画家の作品からは、とりわけ、自然から得た感動を元に自然に自分の思いを託して描く精神を感じることができます。“花”に特別な思い入れを持つ三人の女性画家それぞれの、花に寄せる思いをその作品とともにお伝えいたします。

テーマ: 女性画家の系譜

【展示作家】
上村松園・池田蕉園・*島 成園・伊藤小坡・
梶原緋佐子・広田多津・*片岡球子・*小倉遊亀

* 前期、後期、作品展示替えのある作家

近代女性画家の根幹を築いた上村松園を筆頭に、女性画家の多くは様々な女性像を描いてきました。特に、上品な作風を誇る京都出身の松園と、東京出身の情感豊かな池田蕉園、そして妖艶な女性像で知られる大阪出身の島成園は、それぞれの雅号の一致と出身地から“三都三園”と並び称され一世を風靡します。三園として活躍したのは、大正期の短期間ではありましたが、その歩みはその後多くの女性画家を生むことへと発展していったのです。
また、松園とほぼ同時代に活躍し、庶民風俗や母子像などの親しみやすい画風で知られた伊藤小坡。大正期に社会の底辺で強く生きる女性という斬新なテーマで注目を浴びた梶原緋佐子。創画会設立(1948年)のメンバーとして日本画の革新を目指し、洋画の題材であった裸婦を日本画の線を活かして表現した広田多津など、松園の後に続いた女性画家たちが描いた美の系譜をご覧下さい。