※こちらの展覧会は終了いたしました。
近代日本画壇に多大なる足跡を残した前田青邨(1885年―1977年 岐阜県出身)の画業は武者絵からスタートし、花鳥、風景や人物など、多岐にわたっています。 広い画業の中で一貫して青邨が目指していたのは、新しい表現の確立でした。その青邨の試みは、歴史上の人物や出来事を通しながらも、歴史や史実に捉われることのない自分だけの絵画表現へと向かいます。そして古画学習や写生を基礎にして生み出された画面は、装飾性と写実性とが見事に融合したものとなり、類稀なる境地へと至ったのでした。
本展覧会では、古川美術館所蔵の前田青邨の作品を一堂に公開いたします。また前田青邨の芸術形成初期、安田靫彦と修善寺にて再興日本美術院の画家たちを支援した新井旅館の三代目館主・相原沐芳との関わりや青邨と靫彦の合作も紹介します。そして青邨が靫彦らとともに新しい日本画を求めて歩みながらも、独自の表現を形成するに到った道程を、古画や写生の成果がみられる作品、晩年まで描き続け、様々な技法を試みた花鳥画や静物画、武者絵を通して探ります。
70年余の画業の中で結実し、日本画壇に今も輝く青邨の芸術世界をお楽しみください。
展覧会協力: 特定非営利活動法人 靫彦・沐芳会
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☆相原沐芳について☆
相原沐芳は、若い頃に画家を志し東京美術学校で学んだこともあって、あらゆる芸術に造詣が深く、新井旅館の三代目館主となってからは、若い芸術家の創作活動を積極的に支援しました(特定非営利活動法人 靫彦・沐芳会ホームページ紹介文より)。
前田青邨も新井旅館を度々訪れていた画家の一人です。今回の展覧会では前田青邨と相原沐芳との密接な交流を伺わせる作品を展示する他、沐芳と特に親しくしていた安田靫彦が描いた「相原沐芳像」、青邨と靫彦の珍しい小品の合作なども展示いたします。修善寺の新井旅館を訪れ、靫彦らと交流しながら新しい絵画表現を求めて研究に励んだ巨匠・前田青邨の若き日の一側面を紹介します。
期間 | 平成22年5月1日(土)~7月11日(日) 一部展示替 前期 5月1日(土)~6月6日(日) 後期 6月8日(火)~7月11日(日) |
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休館日 | 毎週月曜日 ※但し、ゴールデンウィーク中(5月4日~5日)は開館 翌5月6日(木)は休館 |
会場 | 古川美術館 |
開館時間 | 午前10時~午後5時 (入館は午後4時30分まで) |
夜間開館 | 5月5日(水)、7月7日(水)は両館20時まで夜間開館実施 |
料金 | 大人1,000円 / 高・大学生500円 / 小・中学生300円 ※古川美術館、爲三郎記念館共通券となります。
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主催 | 財団法人古川会、中日新聞社 |
後援 | 愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会 スターキャット・ケーブルネットワーク株式会社 |
分館 爲三郎記念館 特別企画「色と光の工芸」
豊かな太陽の光に恵まれた私たちの生活空間は多彩な色を楽しむことができます。
新緑の山並み、晩秋の茜色に染まった夕焼けなど自然のおりなす美しい色彩は、人種や年齢を越えてみる者に感動を与えます。その色彩は光を通じて私たちの視覚に訴え、光は身の回りを照らし出し、色を感じさせるほか、安らぎを与えたり、はつらつとした気持ちにさせたりと、私たちにさまざまな影響をあたえます。
本展では東海地方で活躍する工芸燦々会のご協力のもと、前期では色を。そして後期では光をテーマに様々な工芸品を紹介します。多彩な工芸の世界をお楽しみください。