※こちらの展覧会は終了いたしました。
本展は、古川美術館所蔵の『ブシコー派の画家の時祷書』(15世紀・装飾写本)の4年ぶりの公開に合わせ、世界三大宗教に数えられるキリスト教と仏教それぞれの世界の「祈りのこころ」に焦点を当てて、その美を展覧すると共に、いつの世の人々の心にある切なる祈りに迫ります。
異なった文化、風土で育まれたこの二つの宗教は、それぞれ独自の美術世界を持っています。その背景となる思想・文化は異なりますが、その根底には人知を超えた存在(神・仏)へ捧げた“祈りのこころ”がどちらにも存在しています。
15世紀初頭に制作された『ブシコー派の画家の時祷書』は、ローマ・カトリック教会の平信徒がもっぱら個人的に使用するためのものであることから、聖母への祈りを中心に構成されています。それに合わせ、キリスト教美術では、聖母マリアの物語を描いた17~18世紀の絵画、ロシアのイコンの中からマリアに関するものを通して、そこに託された祈りのこころを探ります。
また、仏教美術では、地元愛知の寺院などに伝わる数多くの仏画や仏像の中から、仏教を開いた釈迦の入滅(臨終)の場面を描いた涅槃図や、阿弥陀の浄土である極楽世界への往生を託した来迎図などをご紹介します。また今でも篤く信仰されている観音像など、人々がさまざまな願いや祈りをささげた仏画や仏像をご紹介いたします。
期間 | 平成21年10月31日(土)~12月20日(日) |
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休館日 | 毎週月曜日 ※11月23日(月・祝(勤労感謝の日)は開館、翌11月24日(火)は休館 |
会場 | 古川美術館 |
開館時間 | 午前10時~午後5時 (入館は午後4時30分まで) ※9月21、22、23日、10月12日は開館、9月24日(木)、10月13日(火)休館 |
夜間開館 | 午前10時~午後8時 (入館は午後7時30分まで) ※11月の毎週金曜日(6日、13日、20日、27日)、 11月7日(土)、12月19日(土) |
料金 | 大人1,000円 / 高・大学生500円 / 小・中学生300円 ※古川美術館、爲三郎記念館共通券となります。
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主催 | 財団法人古川会 / 中日新聞社 |
後援 | 愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会 スターキャット・ケーブルネットワーク株式会社 |
協力 | 岡崎市美術博物館 / 西田美術館 |
分館爲三郎記念館 同時公開「服部早苗 日本の美 キルトの華」
本展覧会は世界的に活躍する服部早苗氏が到達した、今までにない新しいキルトの世界を紹介する展覧会です。
服部早苗は1970年代よりキルト制作に携わり、日本人でなければ作り出せないキルトを目指してきました。それは西洋の伝統的なキルトという手法を用い、タペストリーは勿論、従来にはなかった打掛や陣羽織を用いて日本古来の美の心を表現するものです。その作品は世界のコンテストで数多くの受賞を重ねており、常に次なる可能性を求める氏はキルト界の先陣を切る第一人者といえます。
近年、服部早苗は江戸後期に花開き今では珍しくなった “筒描き”という技法を用いた藍染の布との出会いを果たし、作品に新たな局面を拓きました。それは筒描きの布を最大限に活かし、キルティングを施して、そのままでは滅んでしまう貴重な布たちを後世へ保存するという一面も加えた、大変意義深いものとなっています。本展覧会では、有松という藍染の伝統ある名古屋の地にて、数寄屋建築の爲三郎記念館を会場とし、服部早苗の足跡や独自に切り拓いてきたキルトの世界を初期の作品から紹介するとともに、後世への保存という意義を持つ筒描の藍染を用いた近年の新作も一堂に展覧するものです。新たな創造と伝統の継承、保存を目指した服部早苗の世界をご覧ください。
また今回は作家が新しいシリーズとして取り組む“仏像”をテーマとした作品を、古川美術館で同時に開催される特別展「祈りのこころ」(開催要項は別紙)の会場内の一部に展示致します。布に最新の技術で印刷された仏像写真にキルトの技術が施された本シリーズは、布が持つ“包み込む”優しさと、キルティングの立体感とで仏像が表現されており、キルトの世界にも新しい可能性をもたらすものといえるでしょう。
世界初公開となる服部早苗の仏像シリーズの最新作も含め、キルトによって表現される日本の美の世界、そして華麗に展開されていく、服部早苗のこれまでとこれからの世界をご紹介いたします。
●服部早苗氏 来館予定
日時:12月18日(金)~20日(日)
場所:分館 爲三郎記念館
対象者:当館にて、服部氏オリジナルグッズを1,000円以上お買い求めの方。
■服部早苗氏 プロフィール | |
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【略歴】 服部早苗 SANAE Hattori 女子美術大学卒業 サナエアートスタジオ設立(1978年)、主宰 |
http://www.sanae-quilt.com |
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“キルト(Quilt)とは、表地(キルトトップ)と裏地の間に薄い綿を入れ、重ねた状態で指し縫い(キルティング)したものです。 その発祥はヨーロッパ、寒冷地で保温のために布の間に綿を挟んだことが始まりといわれています。ヨーロッパで生まれたキルトは清教徒とともにアメリカにわたり、アメリカン・キルトとして花開くこととなりました。初期のアメリカン・キルトは余り切れなどをつなぎ合わせたものでしたが、次第に布で模様を作り、装飾性をもった表現へと展開していきます。そのキルトが日本で本格的に愛好されるようになるのは1970年代になってから。服部早苗は、1970年代から一貫してキルトを制作し続けており、まさに日本のキルトの創成期から活躍する第一人者といえます。 |
期間 | 平成21年10月31日(土)~12月20日(日) |
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休館日 | 毎週月曜日 ※11月23日(月・祝(勤労感謝の日)は開館、翌11月24日(火)は休館 |
会場 | 分館 爲三郎記念館 |
開館時間 | 午前10時~午後5時 (入館は午後4時30分まで) |
夜間開館 | 午前10時~午後8時 (入館は午後7時30分まで) ※11月の毎週金曜日(6日、13日、20日、27日)、11月7日(土)、12月19日(土) |
料金 | 大人1,000円 / 高・大学生500円 / 小・中学生300円 ※古川美術館、爲三郎記念館共通券となります。
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主催 | 財団法人古川会 / 中日新聞社 |
後援 | 愛知県教育委員会 / 名古屋市教育委員会 / スターキャット・ケーブルネットワーク株式会社 / キヤノンマーケティングジャパン株式会社 / 学校法人 女子美術大学 / 財団法人 日本手芸普及委員会 / 日本藍染文化協会 |