古川美術館財団設立40周年記念展「異邦人たちのパリ-ユトリロ/キスリング/レオナール・フジタ」展

パリという都市は、20世紀初頭、世界中の画家が憧れ、集い、才能と文化が交わる“創造の都”でした。そこに集った者たちは、祖国を離れ、言葉を越え、文化の境界をまたぎながら、それぞれの孤独と希望を抱えてキャンバスに向かいました。本展は、そんなエコール・ド・パリの精神を、三人の画家のまなざしを通して紹介していきます。
ユトリロは、パリに生まれながらも“外側”の視線を持ち続けた画家でした。モンマルトルの白い街並みは、彼にとって現実の風景であると同時に、心に沈む静寂の象徴でもありました。その白は、孤独の色であり、祈りの色、そして記憶の色でした。ユトリロの描く街角には、人影のない路地にかすかな息づかいが宿り、パリのもうひとつの顔が立ち上がります。一方、キスリングは東欧からの移民としてパリに辿り着き、色彩の力で自らの存在をパリ社交界に刻みつけた画家です。異邦人としての不安や漂泊を抱えながらも、パリという都市に自ら
の居場所を切り開こうと豊かな色面と生命力に満ちた画風を構築しました。ユトリロとは対照的な彼の色彩は、パリの多様性と熱気を象徴しています。そしてレオナール・フジタ。日本から渡仏した彼は、東洋の線描と西洋の光を融合させ、乳白色の肌をもつ独自の世界を築いきました。異文化の狭間に立つ者だけが持ちうる繊細な感受性が、彼の作品に静かな緊張と詩情を与えます。フジタの白は、ユトリロの白とは異なる、日本の伝統であった浮世絵由来の白であり、異邦人としての自己の探求そのものでした。
三人の作品は、互いに異なる道を歩みながらも、パリという都市に寄せた憧れと葛藤、そして“外から来た者・異邦人”としての感性によって結びついています。本展は、彼らが見たパリ、彼らが求めたパリ、そして彼らが残したパリの記憶を辿りながら、エコール・ド・パリのエスプリを紹介していきます。

モーリス・ユトリロ「白い教会(サンラスティック通り)」1920年 個人蔵

モイーズ・キスリング「チューリップ」 個人蔵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会期 2026年10月17日(土)〜 2027年1月31日(日)
 休館日 月曜日および12月26日〜2027年1月6日 11月23日・1月11日は開館、翌平日休館
 会場 古川美術館
 主催 公益財団法人古川知足会
 後援
 愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会、中日新聞社、CBCテレビ、東海テレビ
 開館時間 午前10時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)

 

爲三郎記念館特別企画 エスプリ・アンティーク展 骨董編集人北村日出子 時の間の、贈り物

日常の様々なシーンに合わせてアンティークを提案する、骨董編集人・北村日出子の35年にわたるコレクションから、ガラス、陶器、ジュエリー等のアンティーク&ヴィンテージを、爲三郎記念館(国の登録有形文化財)に展示します。東洋と西洋、文化と時間が織りなす数寄屋空間。その美しい出会いと響きを、お楽しみください。

アンティーク・クリスマス  ©北村日出子 写真 スタジオプルミエ

アンティークジュエリー  ©北村日出子 写真 スタジオプルミエ

 会期 2026年10月17日(土)~12月25日(金)
 前期 ヴィンテージ・ヴォヤージュ  10月17日(土)~11月23日(月・祝) 
 後期 アンティーク・クリスマス   11月25日(水)~12月25日(金)
 休館日 月曜日 
 会場 爲三郎記念館(古川美術館分館)
 主催 公益財団法人古川知足会
 協力 ミルキーウェイ、枝露地、スタジオプルミエ
 後援
 愛知県教育委員会 名古屋市教育委員会 中日新聞 CBCテレビ 東海テレビ放送  
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