古川美術館について

概要

古川美術館外観愛知県名古屋市にある古川美術館は、初代館長 故古川爲三郎が長年にわたって収集し大切にしてきた美術品を、「私蔵することなく広く皆様に楽しんでいただきたい」という想いからその寄付を受け、平成3年11月に名古屋市千種区唯一の美術館として開館いたしました。
初代館長の故古川爲三郎(1890-1993)は、芸術を愛し、戦前から美術工芸品の収集を行っておりました。そして、長年にわたって集めた美術品を私蔵することなく、広く一般の方々に公開して美術に親しんでいただこうという趣旨で、昭和62年9月に財団法人古川会を設立しました。
平成元年3月からは、名古屋市中区に財団法人古川会サロン&ギャラリーを開設し、美術館準備室として約2年間コレクションの展示公開を行い、同年、愛知県博物館協会へ加盟しました。
平成3年4月には、現在の名古屋市千種区に古川美術館を開館し本格的な展示を始め、同年10月には愛知県教育委員会より登録博物館としての許可を受け、平成23年8月に公益財団法人への移行認定を受け、同時に、名称を公益財団法人古川知足会へ変更いたしました。
現在は、所蔵品による企画展示を行うとともに美術講演会などの活動もいたしております。
所蔵品は、近代日本画を中心として、油彩画、陶磁器、工芸品、また、西洋15世紀の手描き彩飾写本など、約2,800点になります。所蔵の作品や作者についての調査・研究を進める一方、展覧会や美術講演会等を開催し、あわせて、図録の発行、ハイビジョン番組の制作・上映等も行っています。

ハイビジョン番組

2階AVルームでは、古川美術館が制作した所蔵品解説の番組をハイビジョンで上映。作品が持つ微妙な色合いまで再現した映像を90インチの大画面でお楽しみいただけます。(全7本)

1.古川美術館(15分)

横山大観、前田青邨などの近代日本画を中心に、15世紀にパリで制作された華麗な『ブシコー派の画家の時とう書』など、美術館の所蔵品から代表的な作品を選んでご紹介いたします。(制作 古川美術館)

2.女性が描いた女性像―上村松園と伊藤小坡―(14分)

明治、大正、昭和にかけて、女流画家として活躍した松園と小坡。並び称されることも多い2人ですが女性としての生き方の違いを、作品に見ることができます。(制作 古川美術館)

3.前田青邨(15分)

岐阜県出身の前田青邨は、巧みな線とたらし込みを利かせた面の表現、そして斬新な構図で独自の様式を創りあげ、近代日本画の歴史に輝かしい一時代を築きました。(制作 古川美術館)

4.古川美術館の洋画(15分)

油彩は描きたてのような艶と、絵画の混じり合いが、また水彩は軽やかな筆使いと透明感が魅力です。
所蔵品の中から、こういった洋画の味わいを堪能できる作品を集め、「花」「人の姿」「風景」に分けてご紹介いたします。(制作 古川美術館)

5.祈りのかたち―華麗なる彩飾写本の世界―(15分)

美しい手書き文字と細密画で彩飾された、西洋中世の祈りの本『ブシコー派の画家の時とう書』。その制作地であるフランスの映像や同時代の写本との比較をおりまぜながら、時とう書の歴史と特色を解説いたします。(制作 古川美術館)

6.爲三郎記念館 季のうつろひ(15分)

初代館長・古川爲三郎が終の棲み家とし、愛した数寄屋建築「爲三郎記念館」を四季折々の魅力を交えながらご紹介します。(制作 古川美術館)

7.爲三郎記念館 開館記念公開 能楽の調べ(22分)

「昭和初期の数寄の姿を憩いの場に」という初代館長・古川爲三郎の遺志を受けて開館した爲三郎記念館の開館セレモニーの様子を紹介しています。(制作 古川美術館)

主な収蔵作家

  • 日本画
    • 伊藤 小坡
    • 伊東 深水
    • 上村 松園
    • 上村 松篁
    • 奥田 元宋
    • 小倉 遊亀
    • 片岡 球子
    • 鏑木 清方
    • 川合 玉堂
    • 竹内 栖鳳
    • 寺島 紫明
    • 徳岡 神泉
    • 橋本 関雪
    • 東山 魁夷
    • 平松 礼二
    • 福田 平八郎
    • 前田 青邨
    • 森田 曠平
    • 安田 靫彦
    • 横山 大観
  • 洋画
    • 牛島 憲之
    • 小磯 良平
    • 杉本 健吉
    • 中川 一政
    • 森 芳雄
    • 脇田 和
  • 名古屋市千種区ゆかりの作家
    • 市野 龍起
    • 市野 亨
    • 鬼頭 鍋三郎
    • 田村 能里子
    • 松村 公嗣

(全て五十音順)